• 放送局が一台のラジオに合わせて電波を発するような支援

もしも、子どもに発達障がいがあって、コミュニケーションが「すれ違ってばかり」になってしまったとしたら、私たちはどのような支援を考えればよいのでしょうか?

 

自閉スペクトラムのある子どもたちは、生まれつき、「アンテナ」の性質が独特であるために、他の人と出会ったときに、うまくダイアルを調節して「共鳴」できない、という問題を抱えています。そのため、誰を信頼してよいのか、誰を警戒すべきなのかを、適切に判断することができずに、コミュニケーションの場面では、いつも困ってしまうのです。

 

そんな子どもたちに対して、まず最初に必要な支援は、支援する側が、全面的に子どもに寄り添ってあげて、「共鳴」を体験してもらうということです。

 

例えて言うなら、、、

放送局が、たった一台のラジオに合わせて、受信しやすい電波を発信するような支援。

 

でもね、親のように、いつも子どもの近くにいて、お世話をしてきた大人なら、こんなことを考えるかもしれません。

 

「そんなことはわかっています。わたしはこの子が生まれたときから、ずっとそれをやってきました。それでも生活がうまくいかなくて、困っているからここに来たのです!」

 

じっさい、発達障がいのある子どもを育てている親御さんたちって、とっても子どものことをよく見ているし、その個性や特徴を理解しているんだな、と気付かされることがよくります。そしてそれは、とても尊いことだと思います。

 

しかし、困りごとは、その「理解」を、家族の外の他の人たちとうまく共有できなくて発生してしまうのではないでしょうか。そしてだんだんと、家族と子どもは一緒になって、社会から孤立したように感じてしまうのです。

 

ルカ子ども発達支援ルームでは、スタッフがご家族と一緒に子どもと向き合いながら、子どもが生まれつき持っている「輝き」を発見するお手伝いをします。もしかするとそれは、ご家族にとっては、「前からわかっていた当然のこと」のように思われるかもしれません。でも、家族の外側にいる、最初は赤の他人だった私たちが、それを共有させていただくことに意味がある、と考えています。もしかしたら、なかなか理解されたり、発見してもらったりしにくい、子どもの「輝き」を一緒に感じさせてもらって、その成長を見守る支援をさせていただきたいのです!

 

そのためには、発達障がいを知り、その特性に合わせて、支援者の方が子どもへの関わりかたを工夫するということが大切です。 

 

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